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2018年度県ネット総会開かれる

『原発事故で奪われた故郷 飯館村の今』

静岡県内の反・脱原発グループが参加する「浜岡原発の再稼働を許さない静岡県ネットワーク」の2018年度総会が、28日静岡市内で開催されました。台風をついて、県内から40名が参加しました。

総会の記念講演では、昨年避難指示解除が行われた飯館村で農業を営んでいる長谷川健一さんが、飯館村の現在の状況を視覚にも訴えなながら講演し、参加者の共感を誘っていました。参加者からは「原発災害は他の取んなさ以外とも違うことがよく分かった。人間が過去から積み上げてきたもの、そしてその未来を根こそぎ奪われるもの。日本のどこでもこれを起こしてはいけないと強く感じた」と感想を述べました。

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以下、参加した林弘文先生のようやくメモを掲載します。

講演『原発事故で奪われた故郷 飯館村の今』(要旨)

 飯館村の写真を見せながら、私は若い人は飯館村に戻るべきではないと考える。これはSPEEDIの図だ。国はこのデータを隠し、そをついた。大本営そのものだ。飯館村の人々は、避難したくないと言って、いやいや2011年7月中旬に避難を終えた。

私は酪農家で牛乳を搾っては捨てた。牛は屠畜場につれていき処分した。自殺者がでた。浪江ではただ「早く逃げろ」だけの指示。沢山の餌を牛に与え避難した。地域には規制線が引かれ中に入れなくなった。

いままで除染の研究はしてこなかった。事故後、業者が屋根にあがってペーパータオルで瓦を拭いた。道路のり面を熊手、ほうきなどで除染したが、測定器の針が振り切れた。

汚染物質を入れたフレコンバッグが、いま福島県には2200万個あり、235万個が飯館村にある。幹線道路のまわりのフレコンバッグのみ撤去され、見えないようにしているが、どこでも見ることができる。除染は家や道路などで、山は全く除染していない。
県の管理調査は外部被ばくで、新聞は数値を掲載するだけ、これをグラフに乗せると飯館村は断トツに高い。5mSv以上の人が900人。その70%が飯館村村民。

日本には「原子力損害賠償紛争解決センター」(ADRと略す)ができ、申し立てることができる体制になった。 私たちは「原発被害糾弾飯館村民救済申立団」を作り、「~謝れ、償え、かえせ故郷~」と3070人が声をあげた。飯館村民救済弁護団もできた。あれから4年。ADRは真摯に受けるはずであった。しかし我々の訴えは、ことごとく拒否された。

ADRの態度は、「東電の受け入れる和解案でないと出せない」。仲介も和解も出さない。

田畑の賠償は非常に低い。川俣村の要望は認められた。それを言うと「川俣は川俣、飯館村は飯館村だ」という。認められたものもある。「避難を6回した人」「懐妊中の人」など。

3070人(750世帯)中、500世帯は認められた。500世帯から何%を出してもらい認められない人に配った。しかし、マスコミは報道してくれない。認められたものは報道しない。私は「ひだんれん」(原発事故被害者団体連絡会)の共同代表。全国組織。

内堀雅雄知事は会おうともしない。県民に寄り添わない。復興予算は2020年まで。飯館村は2017年3月に指定区域を解除された。すでに「道の駅」があるのに、高額なお金で「道の駅」を作った。そこにあるオブジェは2000万円もする。マデイの精神ではない。マデイとは東北弁で「ていねい」の意味。スポーツ公園は64億円もかけて改装。全天候の4面テニス。老人ばかりしか返らないで誰が使うのか。人工芝の陸上トラック、誰が走るのか。経常経費、どうするのか。

6230人のうち、600人しか帰っていない。飯館村の学校には100人ちょっと。村から8人のみ通学、ほかの生徒はスクールバスで他から通っている。タクシーには6000万円の予算。私はすべて悪いとは言わぬ。村民は何を望んでいるか、ソフトな面が抜けている。健康―医療が一番不安。クリニックが再開したが、週2日、しかも午前中のみ。川俣に行ってくれと言われる。飯館村には20の行政区がある、広い。移動車がくるが2時間待っても誰も乗らない。業者と行政の連絡を密にして、家を回れと言っても、訊く耳を持たない。

140床の特養があるが、32人が入居。介護する人がいない。広告では1時間800円で募集。1200円に上げろという、我々の話に耳をかさない。

村長さんは、看板を出し「0.34μSv/時間、かならず帰ってきてね」とある。7頭ほどのイノシシの写真。国のモニタリングポストには、0.386μSv/時間。同じ場所、1mの高さで私たちが測った測定値は、0.873μSv/時間。今中先生がよくきて測定し見てくれる。

樹齢100年の杉の断面、外側の皮の部分の放射能が一番高いが、中心部も高い。国と県は大丈夫、杉を使ってくださいというが、人の被ばくは、1日24時間のうち、8時間を外で過ごし、残り16時間を屋内で過ごす仮定の計算。

山菜、今年のわらびは400Bq/kg。経年で放射能は下がるが、ばらばら。マイタケは3000Bq/kg。こうたけ(香茸)2790Bq/kg。たけは628~2162Bq/kg。なぜか測定値はばらばら。よくわからないことがわかった。測定器を近づけると、ぴーぴーと鳴っていたのが、ぴぴぴ・・・となる。今年4月、チェルノブイリに行った。30周年。原発から30km圏内には、サマショール(不法居住者)がいる。訪ねていきジャガイモの植え付けを手伝った。大変喜んでくれ、みやげに干しキノコをもらったが、成田空港の税関を通った。測ると1780Bq/kg。国も東電も賠償、補償を考えていない。飯館村の山に入るとキノコがあった。写真を撮った。山に入れないつらさ。

そばを栽培した。地区の農地をどうするか、実証実験として。もみのついた状態では18Bq/kg。もみを外すと放射能はさがるが、測っていない。風評被害ではない。実害だ。自分の住んでいる前田地区の農地をどうするか、アンケートをとると6割の人はできないといい、4割の人は自分のところは自分で管理するという。4割の中から募り実行部隊として5人を決めた。自分は多角経営、何でも屋。そばを提案。文句をいうだけではだめ。発言しながら行動する。行政を利用する。7丁歩のそば畑。

 チェルノブイリの見学では、「希望21」内見学。子どもの免疫力が低下、風邪をひきやすい。60年代はがんで亡くなっている。いままでになかったこと。国は一切関係ないという。猿、鳥など学会では沢山の発表があるが、マスコミは報道しない。ウクライナでは奇形の胎児の写真が報道されている。平凡な村だが、ホールボディカウンターでチェックによって線量管理はきちんとしている。汚染の地域に入ろうとすると止められた。カウンターが鳴るので、そこから出られなくなるからだ。日本では考えられない。サマショール(不法居住者)のルージャさん宅に電気がきている。30kmの検問所、10kmの検問所がある。事故当時、チェルノブイリ原発が黒煙を上げているのがみえた橋がある。「死の橋」という名称になっている。

6,7年もたつと、いい加減な宣伝などでわれわれも疲れてきた。菅直人さんが浜岡原発をとめたのは評価する。政府は原発を再稼働しょうとしている。国、電力会社は「再稼働しないと電気料金が上がる」と騒いでいる。国が後始末をしてくれるので、電力会社はこわくないからだ。

飯館村の今後は明るくない。75%は山だ。山は除染できない。私は65歳だが、青年団長だ。若い人が帰ってこないからだ。われわれ5人がわあわあとやっている。

参考文献
* 原発に「ふるさと」を奪われて   宝島社
* 「証言」奪われた故郷   オフィスエム 
* までいな村  飯館   七つ森書館
* 写真集 飯館村   七つ森書館
* 映画 飯館村 わたしの記録  Our Planet-TV



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